学生によるモビリティデザイン提案

去る10月6日に横浜低炭素地域づくりフォーラムがtvk future cafeにて行われました.そのときの様子については
http://bin.t.u-tokyo.ac.jp/mdyokohama/report.php
にて記録されているので,そちらを参考にしていただくとして,その一つの目玉として都市工学科4年生による横浜を対象地としたモビリティデザイン提案の発表がありました.1ヶ月半程度の短い期間の演習でありながら,学生さんたちが必死で取り組んでくれたのはもちろん重要なのですが,「各モビリティの結節性をどのように高めるか」という観点から学生によるフレッシュな提案が行えたことが今回の成果ではないでしょうか?一般に鉄道事業者,バス事業者,自動車ユーザーや駐車場業者は各々が自分たちのことだけを考えてしまいがちです.しかし,横浜を訪れた人にとっては横浜の鉄道,横浜のバス,といった個別の見方をするわけではなく,そこに存在するモビリティの総体を横浜のモビリティとして意識するはずです.そのような実感からスタートしたモビリティデザインは共同利用自転車というシステムの提案だけに留まらず,結節点のデザインや東横線跡地の利用方法についてまで言及したデザイン提案であったように思います.


特に今回の提案の(良い意味で)最も学生らしい点は行政や企業にとっては言及するのが憚られるようなタブーについて果敢に踏み込んだところだと思います.東横線跡地の利用方法,野毛地区の高齢者問題やコミュニティバス,赤いくつバスのルート….これらの点について横浜はまだまだ議論が足りていないのかもしれません.しかし,紛糾することを恐れ,なかなか議題に上がらないこれらの点について学生による提案が行われたことによって,市民も行政も,企業や学識経験者たちも次のステップへ進むための議論を行わなければいけないのではないか.そのように感じさせられました.今回のモビリティデザイン提案はその楔のような役割を果たしたのだと思います.


発表する学生たち


熱心に聞き入る参加者たち


当日は質疑応答の時間がそれほどなかったために,フロアからの質疑を行うことができませんでした.もし,発表内容に対するコメント等がありましたら,コメント欄からコメントをいただければと思います.