復活の狼煙

mdyokohama2010-02-18

昨年末、我々が集まって交通班と呼ばれる活動を始めるきっかけとなった
勉強会=UDSYを主催されていた、北沢さんが亡くなられました。

それをきっかけに、それまで、特に昨年はわりとゆるく集まって、たまに
なんかする的になりつつあった交通班でしたが、結構いいメンバー揃って
るんだし、具体的になんかやろう、それこそが北沢さんにも報いることに
なるよ、という話になりました。

ここに来て交通班のボス(?)羽藤センセも横浜に来ることがちょこちょ
こ増えて、多分原くんあたりから来週には発表出来そうなイベントがある
様だし、も少しすればあったかくもなって来ようかという今、復活するに
はまさにいいタイミングかな、と思います。(原くん、フォローよろしく
です)

個人的にはやっとフタをこじ開けて関われそうな東横跡地を想定して、周
辺を含めた自転車道ネットワークなんかをこのメンバーでつくったりした
ら、ある結果を出せるし、僕は助かるしで面白いんじゃないかと企んでま
す。

まずは作戦会議の日程決めますので、皆様、参戦よろしくお願いします。



ps。写真は都市大学で行われたクリストの講演会の様子。彼のパート
ナー、ジャンヌ=クロードも昨年末亡くなっていますが、プロジェ
クトは今後も推進していくそうで、実に美しく力強いプレゼンでした。
え、写真に写ってないじゃんねぇ(笑


桂 有生

学生によるモビリティデザイン提案

去る10月6日に横浜低炭素地域づくりフォーラムがtvk future cafeにて行われました.そのときの様子については
http://bin.t.u-tokyo.ac.jp/mdyokohama/report.php
にて記録されているので,そちらを参考にしていただくとして,その一つの目玉として都市工学科4年生による横浜を対象地としたモビリティデザイン提案の発表がありました.1ヶ月半程度の短い期間の演習でありながら,学生さんたちが必死で取り組んでくれたのはもちろん重要なのですが,「各モビリティの結節性をどのように高めるか」という観点から学生によるフレッシュな提案が行えたことが今回の成果ではないでしょうか?一般に鉄道事業者,バス事業者,自動車ユーザーや駐車場業者は各々が自分たちのことだけを考えてしまいがちです.しかし,横浜を訪れた人にとっては横浜の鉄道,横浜のバス,といった個別の見方をするわけではなく,そこに存在するモビリティの総体を横浜のモビリティとして意識するはずです.そのような実感からスタートしたモビリティデザインは共同利用自転車というシステムの提案だけに留まらず,結節点のデザインや東横線跡地の利用方法についてまで言及したデザイン提案であったように思います.


特に今回の提案の(良い意味で)最も学生らしい点は行政や企業にとっては言及するのが憚られるようなタブーについて果敢に踏み込んだところだと思います.東横線跡地の利用方法,野毛地区の高齢者問題やコミュニティバス,赤いくつバスのルート….これらの点について横浜はまだまだ議論が足りていないのかもしれません.しかし,紛糾することを恐れ,なかなか議題に上がらないこれらの点について学生による提案が行われたことによって,市民も行政も,企業や学識経験者たちも次のステップへ進むための議論を行わなければいけないのではないか.そのように感じさせられました.今回のモビリティデザイン提案はその楔のような役割を果たしたのだと思います.


発表する学生たち


熱心に聞き入る参加者たち


当日は質疑応答の時間がそれほどなかったために,フロアからの質疑を行うことができませんでした.もし,発表内容に対するコメント等がありましたら,コメント欄からコメントをいただければと思います.


バイクフィルムフェスティバルと横浜低炭素地域づくりフォーラムの告知

先週の木曜日(9/3)にバイクフィルムフェスティバルのプレス&関係者向け特別試写会に参加しさせていただく機会があったので見てきました!すべての作品ではなく5,6作品のみの先行試写会だったのですが,その少ない作品だけでも非常におもしろかったのです.

自転車というテーマはどの作品も同じなのですが,作品によって切り口が「旅」であったり「職人」であったり「都会」であったり「音楽」であったりして,自転車というモビリティに内在する可能性とその多様性をまざまざと見せつけられたような気がします.僕の個人的な感想はどの作品も,どの自転車乗りも"クレイジー"だなぁということです.クレイジーは「狂気的な」とか「気が狂ってる」みたいな悪いイメージもありますが,「とことんハマっている,のめりこんでいる」ってニュアンスもあり,作品を見つつ「ほんとこいつら,クレイジーだなぁ」とばっかり思っていました.


個人的に好きな作品はCiocc(記憶では)の職人についての作品です.とにかく職人としてのオヤジがカッコいい.どこにでもある材料,どこにでもある工作機械から,ハンドメイドでその人にあったフレームを組み立てていく.広告だのマーケティングだのそういうものを微塵も感じさせず,淡々とものづくりを行っていく.まちづくりもある意味,この作品から学ぶ点もあるのかもしれません.


そんなバイクフィルムフェスティバル2009の本番は11/20-23@恵比寿のようです.自転車好きの方は必見です!
http://www.bicyclefilmfestival.com/jp/index.html


ということで,10/6に我らが横浜でもシンポジウムを行います.テーマは自転車メインではありませんが,EVやカーシェアリング,自転車といった低炭素なモビリティとまちづくりをテーマについて語り合いたいと思います.
詳しくはMD横浜トップページまたは以下のPDFファイルをご覧ください.
http://bin.t.u-tokyo.ac.jp/mdyokohama/img/200910forum.pdf


朝チャリ

交通班の丹羽です。

久々のブログ更新です。

6/10羽藤先生と学生の皆さんと、「モビリテイデザインヨコハマ」な活動に参加して来ました。

UDSYの時のように、再び、新鮮な気持ちで、街歩き、調査して参りました。

UDSY後、横浜 都心部の街づくりに関して、交通班的な動きが、日産さんや、横浜市が、具体的な施策を打ち出されましたので、我が、「交通班」の
活動を再燃したくなりました。


お借りしているPPシステムの画像データーも150日分以上あります。
最近の画像を数枚貼り付けます。




また、ブログもリレーとせず、気付いたら、自由に書き込みましょう。
また、メンバー紹介ページにも、未登録な方がたいますので、こちらも!!

新橋〜横浜ナイトウォーク

今から1ヶ月ほど前の真冬の深夜にとってもおバカなチャレンジをした男たちがいる。


彼らは何を思ったか、日本発の鉄道である新橋〜横浜間を踏破することを決めた。しかも、なぜか夜中に。(ちなみに最初は日本橋から横浜まで歩くことも考えたが、賢明な判断により距離が短くなったようである。)
思いついたらすぐさま実行せよ、ということで発案の4人で歩いたのが2008年12月6日のことである。


日本の鉄道開業についてはWikipediaでお勉強。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E9%89%84%E9%81%93%E9%96%8B%E6%A5%AD


新橋の居酒屋に集合し、そこから旧新橋駅のある汐留方面へ移動。
そして、前日の12月5日23時50分に4人は旧新橋停車場から歩き出した。


夜の東京はおもしろい。普段なら鉄道や車で移動する町並みを自らの身体性に基づいて移動することで、異なった顔が現れる。
歩くと遠い新橋〜品川間、食欲をそそるラーメン屋、旧東海道
日々利用している線路を明日もまた利用できるように深夜に働く男たち、
不審な男と自転車で駆け回る警官たち。
様々なものに出会い、そして疲れ、一回目の休憩をとったのが、大森をすこし過ぎたあたりのファミレス。その時間は深夜2時47分。
そう、我々は最初にテンションが高すぎて、回り道をしてしまい、3時間かけたのに大森までしか進めなかったのである。


これまで東京と川崎は目と鼻の先だと思っていたが、
「意外と遠い川崎」ということを実感を持って知ることとなる。


その後は第一京浜沿いをずっと歩き続ける。
途中でちょっと走ってみたりして、余計に体力を消耗したりする。
第一京浜沿いは道幅が広く、空気は悪そうだが歩くのは快適である。
「こんなときに自転車があれば、横浜なんてすぐなのに」と無駄口をたたきつつ、ついに県境へ。
六郷橋を渡って、神奈川県と書かれたプレートの前でテンションで「イェーイ」と叫びつつ、写真を撮る4人。(深夜4時半にもかかわらず)たまたま通りかかった女性2人組も「イェーイ」と合わせてくれる。こんな触れ合いもナイトウォークの魅力。彼女たちはおそらく仕事上がりのキャバ嬢だろう。


そんなこんなで、やっと川崎を4時45分頃に経由。
川崎に着いたことで山場を越えた気がした4人だったが、実は新橋〜横浜間において川崎は中間点に過ぎないことに気付き、驚愕する。「ま、まだ半分か・・・・」
そして、鶴見近くのファミレスで二度目の休憩を取る(5時半頃)。


鶴見川の水面に映る美しい日の出を見ながら、横浜へと歩く。
途中にある国道駅はなんともノスタルジックな雰囲気を出しており、
ディープスポットとしてふさわしい。
生麦事件のあった生麦はいつまで歩いても番地が生麦から抜け出せず、
ちょっとしたトラウマになる。
新子安の工場街では朝に仕事が終わる男たちの飲み屋があり、
これまた異様な雰囲気を醸し出している。


8時半には横浜中央卸売り市場に着き、天丼を平らげる。
海老がうまかった。TVのニュースでは世界の大不況を告げている。


そんなこんなで9時半にパシフィコ横浜に到着し、
10時からのイベント「モビリティカフェ」に間に合い、一安心。
満身創痍のまま、午前からのモビリティカフェ、夕方からのモビリティデザイン研究会に参加したことは言うまでもない。。。


ちなみに当日GPS携帯電話によって、移動履歴を記録した図がこちら。
75,000分の1なのであまり細かくはわからないかもしれませんが、こんな感じで歩きました。

あれ?
新橋〜横浜ナイトウォークなのに到着点の桜木町駅に行ってないよね?


市民と行政と

 私が自転車施策に関心をもつようになったのは、2年前の道路交通法改正試案(警察庁)へのパブリックコメントを投稿してからです。これは、「車道が危険な道路については、自転車の車道通行禁止ができる」とも読める内容だったので、ツーキニスト疋田氏(http://www.melma.com/backnumber_16703/ )を始めとした自転車乗りが反対意見投稿を呼びかけたのです。


 結果として反対意見が1,000通以上も集まり、「自転車の車道通行禁止」は免れ、私としては「行動すれば変えられることもある」と思ったのです。


 そんなこともあって、昨年8月に新聞に載っていた「県民からの政策提案制度」により、神奈川県に「自転車走行空間ネットワーク計画」を提案しました。提案内容は、「既存のサイクリングロードに、自転車で走りやすい道路(自動車交通量が少ない、車道幅員に余裕がある)を組み合わせて県内の自転車走行空間ネットワークをつくる」という“自転車乗りの夢”です。


 この提案は採用され、今年度、神奈川県は自転車走行空間ネットワークをつくるべく、県内国道・県道の幅員や交通量を調査しています。
 提案が採用された理由として県の担当者は、「自転車に関する提案が多かったことと、実現できそうな提案であったこと」を挙げていました。


 さて、12/6ナビオス横浜にて第2回モビリティデザインヨコハマ会議が開催されましたが、羽藤先生・司会の原さんが「行政に提案するには、具体的に何をどうするということを明確にしなければならない。」と言われていました。あ、なるほどネと思いました。自分の提案が通った理由がよくわかったからです。

 行政サイドは何をやれば良いのか、具体的にはわからないのです。だから、具体的なニーズや改善方法を明確に示せば、無視することはできません。


 極論すれば、みんなが自転車で車道を走れば自転車レーンができます。そこに具体的ニーズがあるからです。さあみんなで車道を走ろう!!!

せぐうぇー

 ちょっと前の話になるけれど、そして前の筆者・杉崎さんたちのようにまじめな話には必ずしもならないのだけれど、恵比寿にセグウェイhttp://ja.wikipedia.org/wiki/セグウェイ)の“免許”をとりに行った。羽藤先生やそのお弟子さんたちにまぎれて。


 その実、免許というのは語弊があって、実際には一年有効なインストラクター証のことで、セグウェイの乗り方を人に教えてあげることが出来る証だ。たかだか4時間の講習でインストラクターになれてしまうことがセグウェイの乗りやすさを証明してるとも言える。





 セグウェイに乗ったことのあるひとというのは実際どのくらいいるのだろう?インストラクターの大親分、セグウェイの日本での販売代理店=SGIの秋元さんは「身体の拡張」と言っていたけれど、本当にそんな感じで非常に感覚的に乗れる“楽しい”乗り物だ。乗ったことのない人にこの楽しさを伝えるのはなかなか難しいけれど、しいて言えば街中でスキーに乗ってるみたい、というのが一番近いかも。ね?楽しそうでしょ?





 ちなみにSGIの秋元さんはトークも非常におもしろくて、生徒をいじったり部下のスタッフをだしにしたりしているうちにあっという間に時間が過ぎてしまう。「(セグウェイについて)質問は?」と聞いた秋元さんに「そのトークはどうやって鍛えたんですか?」と質問した学生がいるくらいに。





 話は遡って、去年。我々が出会い、活動を共にするきっかけとなった、横浜を舞台に都市を考えるワークショップ=UDSY(Urban Design Study Yokohama。その活動はUDCYとして継続中)の交通から都市を考えるチーム=「交通班」が出した結論は、新しい都市をつくる交通には「delight=楽しさ」が重要だということだった。だからこそ公道を走れなくてもセグウェイは重要なのだ。実際乗る楽しさももちろんだが、見かけるだけでちょっと楽しいし、コミュニケーションを誘発したり(乗ってる人がいたら思わず話したり質問したりしたくなる!)する。仕事(例えば巡回の警察官)に導入すれば、仕事へのモチベーションが上がるという効果もあるそうだ。


 今のままでは公道を走れないセグウェイが横浜の街を自由にスイーッと走る姿はしばらく見られそうにないけれど、限定的な導入には十分可能性を感じている。近々に我ら交通班がこのHPでセグウェイを使ったイベントを紹介できる日が来るに違いない。それをきっかけに、パリのように街をセグウェイで巡るツアーが出来るようになるかも知れない。横浜の都心部はパーク&セグウェイ・ライドの街になる可能性がないわけじゃない。その時はぜひみなさま、ご参加下さいませ!





桂 有生